ボス その男シヴァージ
社会派で重くなりがちなテーマをコメディを差し挟みつつ見やすく楽しみやすくした、ラジニ様の演技力の高さが光る作品。
テーマはズバリ裏金。
インドではびこる賄賂、脱税その他の表に出せない裏金をめぐる話。
善意の塊、ラジニ様ふんするシヴァージは本当に心の底からの善意から自分の儲けたお金を使って無料の大学と病院を建てようとするが、要求される多額の賄賂と商売敵(大学・病院経営者)による妨害にあって・・・、と言う筋立て。
そこへ恋愛コメディが挿しこまれるので、重苦しくなく見ることが出来ます。
そして、シヴァージは2度豹変するのですが、その代わり方が見事。
1度目が特に素晴らしかったです。善意の塊だった男が腹をくくった瞬間がゾクッとしました。目が据わるってああいうのを言うんだなぁと。
シリアスとコメディのバランスが非常にいいと思います。
ストーリーも伏線を上手く回収していて、不満がありません。
まー、細かい話だけど医者のやってたCPR(心肺蘇生法)のやり方が間違ってて、そこは気になりました。(肘を曲げてやってたのね)
あと、ヒロインはプラバース作品のChatrapathiのヒロインさんですね。シューリヤさん。
そして、叔父さん役の人とラジニ様の掛け合いがメチャメチャ楽しくて、このおじさんがまたいい人なんだ。
展開はもちろん、無理やりでリアリティーのかけらもないところもありますが、何しろこれは娯楽作品!そんなの関係ねぇ!という説得力があるので笑って済ませられる。
個人的に見どころはラストの未来予測。この作品2007年作品で2015年までの未来予測?希望?を並べていくのですが・・・わりとこれ合ってんじゃね?というのがありまして・・・。ちょっとびっくりしました。
それにしても、インドの闇も垣間見たような気のする本作。
何が闇って、窮地を脱出する方法がね、結局それなんだ、って。ちょっと思いました。
私はこの作品好きですね。人によって好みは分かれそうですけども。
しかし、一番の謎はシヴァージの家族ぐるみのヒロインへの強引なアタック。それでいいのか・・・w