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Prabhas's fan blog in Japan

ヒンディー・ミディアム(原題:Hindi Medium)

 イルファーン・カーン主演の「ヒンディー・ミディアム」。

hindi-medium.jp

 素晴らしく良かった!

 扱っている題材もお受験戦争と興味深いし、ストーリーも素晴らしいヒューマンドラマで綺麗にまとまっている。役者もGoood。インド映画ファン以外にも安心してお勧めできる良作です。

 

 日本でもたまにドラマなどに取り上げられている「お受験」。この映画を見ながら、大昔に見た小学校入学のためのお受験ドラマを思い出しました。タイトルを忘れてしまったのですが、そこで知ったのは「両親の面接が重要」と言う事。母親の着ていく洋服にまで「合格するためにはこういう服装」と言う暗黙のルールがある。ヒンディー・ミディアムでも、子供の教育だけはなく親の問題が浮上してドタバタすると言った筋書きなので、どの国も同じなのだろうかと思いましたね。

 

 日本と違ってくるのが「低所得者のための優遇枠」と言うものが存在すると言う事。日本には小学校受験だけでなく大学まで明確に低所得者枠ってあまり聞きません。あっても「特待生」という枠になるかな。それは合格に当たっての優遇ではないよね。

 その優遇枠を巡ってお話が大きく受験戦争の闇へと舵を切っていきます。そう、その優遇枠を狙ってお金持ちだけど上流階級には入れない(合格しにくい)主人公家族はスラム街に住むことになるのです。

 

 教育を受ける権利と言うものについて、深く考えさせられます。主人公の家族だってお金持ちでもいい教育を受けさせる権利を階級によって奪われているわけです(作品中ではカーストとは言わなかったけど、商人だから~と言う言い方をしていた)。そして、お金が無いために良い(普通の)教育を受ける権利を奪われる人々もいる。それでいて、貧困から抜け出す、より良い生活を送るための突破口は良い教育であることの残酷な現実。

 そんな深いテーマを取り上げながらも、イルファーン・カーン扮する商売で財を築いた妻に頭のあがらないお父さんラージと美しい「教育ママ」ミータ、子供らしくかわいいピアの明るい家族がコミカルに話を紡いでゆくので、基本、笑えます。このコミカルさとシリアスのさじ加減が素晴らしいです。そして、スラムの人々の人情もしみじみと胸に響きます。

 

 いや~イルファーン・カーンと言えば渋い暗い重い役しか見たことが無かったので、こんなコミカルな役が出来るのか、こんなかわいい趣を持っているのかとビックリしました。かわいいイルファーン・カーンが見たい人はこの映画外せませんよ!

 

 残念なことに上映館がメチャメチャ少なくてなかなか見られないかもしれませんが、チャンスのある方は見てくださいね。

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