ルドラマデーヴィ 宿命の女王(原題:Rudhramadevi)
ムービープラスにて放送されたタミル語版「ルドラマデーヴィ 宿命の女王」(原題:Rudhramadevi)を視聴しました。
タミル語版と言うことで、アヌシュカさん、アッル・アルジュンさんやラーナーさんの声は吹き替えですね。アヌシュカさんはテルグ語でもわりと吹き替えみたいですけどね(バーフバリもそうだと聞いています)。
ストーリーは史実をベースにした歴史もの。
インド史上でも珍しい女性の王ルドラマデーヴィの物語。
それだけでも面白そうな話やな、と思うんですが(個人的に直虎とかの女城主・女王が大好き)、しかも彼女は男として育てられる…とかいわれたら…宝塚好きとしては「アヌシュカ姉さんの男役だと!?」と俄然興味津々ですよ!
お話としては、まあ当然「いつまでも女であることを隠してはいられない」わけです。ルドラマデーヴァ(男としての名前)の正体を突き止め、暴露しようとする輩たちとの駆け引きとかドキドキしましたし、女を君主にするということへの諸侯や民衆の抵抗の件は涙しました。
この戴冠式のくだりを映画にしたのは凄いなと思いましたね。現代なら女が上に立つのは当たり前のことですがインドはまだ女性の地位はそこまで高くないと思うんです(日本もそんなに女性の地位は高くないけど)。そのインドでこの場面を観客にぶつける、というのは挑戦ではないかと勝手に思いました。実際のところはわかりませんけどね。
そんなわけで脚本は割といいと思いました。が、問題は…予算無かったんだろうなぁと言う部分ですかね。室内セットまるわかりな美術とか、アニメーションで誤魔化されたりとか。アクションもどうも不自然が過ぎる。CGIがナニなのは、まあしょうがないとして。誰かもっと出資してあげてよ…と思いました。
俳優陣は主演クラスも脇役クラスも素晴らしいですね。
初めてアッル・アルジュンさんの演技を見たんですが、さすがスタイリッシュ・スター。盗賊の頭役がかっこよすぎて痺れます。
ラーナーさんは武骨な武人と言ったところですが、その男が恋をした!時の一途さがもう、くすぐったくて。あーかわいい、あーかわいい。
そして、主人公役のアヌシュカ姉さん!!
男らしい身のこなしが完璧。もう、さすがですよね。役者魂を見ました。
そして、女性になっている場面での美しさ、神々しさ。ひれ伏すしかないでしょ。
ラストの方で像に乗った女姿の黒いサリーを纏ったルドラマデーヴィがもう、無茶苦茶かっこよくて、ため息がでました。さすが、Lady Superstar。
ちなみに、インドのDVDパッケージの顔の面積は今書いた役者の順番で驚きました。
普通に考えると、作品の内容から言えばアヌシュカ→ラーナー→アッル・アルジュンじゃないかと思うんですよ。目立つ順番って。それが逆。
あーインドってあくまでも男性主役級俳優はどこまで行っても主役扱いなんだなぁと思いました。たまたまかもしれませんけどね。
まあ、アルジュンさんカッコいいから前面に出したい気持ちはわかる。わかるがそこはアヌシュカさんを目立たせてほしかった。
脇役もいい味出しまくってます。ルドラマデーヴィの父ちゃん(王)と宰相シヴァとか好きです。
というわけで、アクションやCGIなど美術演出に突っ込みどころがどうしてもあるのでハリウッド並みのクオリティを求める人にはお勧めしませんが、インド映画好きだしアヌシュカさんやラーナーさんが見たいな~、よく耳にするアッル・アルジュンさんも気になってるの、と言う方はぜひ見てくださいね。