パドマーワト 女神の誕生(原題:Padmaavat)
やっと見ることが出来ました。
見たいみたい、と思っていたので念願かなって良かったです。
さて、本編。
豪華です。衣装がとにかく豪華だしセットも素敵です。
装飾品の多さが凄くて明らかに重そうなぐらい男も女もジャラジャラつけているのですが、下品にならない上品な、荘厳な組み合わせの絶妙さは賞賛に値します。
そういや、夫のタ-バンを妃であるパドマーワティが巻いて最後に糸で装飾を縫い付けていたので、男の人のターバンの装飾はそうやってつけるのかと妙なところを見てました。糸でつけるなんて、よく考えた当たり前の話なんだけれども。
映像がとにかく絵画のようで素晴らしいですね。どこを切っても絵になりそう。
そして、なんといっても絶世の美女パドマーワティの美しさが納得の美しさ。
夫となるメーワール国王ラタン・シンにはパドマーワティが嫁ぐ前から妃がいたのですが、その妃だって十分に美しいし、敵のアラーウッディーンの妃も類い稀なる美しさなのですが、それを超える、超えると納得させられるディーピカー・パードゥコーンの美しさは圧巻です。息をのむ美しさとはこのこと。
美しいうえに貞淑で賢く気高く、内面も王妃の鏡と言えるほど素晴らしい。
それに対する夫の高潔さも眩しいほど。ややもすれば印象が弱くなりがちな役をシャーヒド・カプールは、ランビール・シン演じる怪演とも言える凄みのあるアラーウッディーンに真っ向から対峙できる国王として見事に演じています。
そして、なんといってもアラーウッディーン役のランビール・シンの渾身の悪役演技。この役は並みの俳優では絶対に務まらない極悪非道な暴君の役です。ランビール・シンのこの演技を見るだけでもこの映画には十分な価値があります。他のランビール・シン映画はGUNDAYしか見たことが無いのですが、真っすぐなあの役からは想像もつかないほどの真っ黒な役で別人にしか見えないです。
凄み、威圧感、重厚感、残虐さ、暴虐さ、どれをとっても十二分な悪役で、個人的にはバーフバリのバラーラデーヴァと並べてもいいと思っています。
とはいえ、大きな弱点は脚本・演出力でしょうか。
話の筋は大変面白いのですが、全体的に単調で飽きが来るところがありました。夢中になって前のめりに作品に没入できる作品ではなかったです。史実を基にした歴史ドキュメンタリーならこれで良いのかもしれませんが、そもそも歴史に忠実ではないと断っていますし娯楽作品としてもっとドラマチックに抑揚をつけてもいいのではないかな、と思いました。もちろん、盛り上がりの場面と言うのはあるのですが、盛り上がりに欠けると言いますか…。
そのせいで、映像美も役者の演技も最高なのに「良作」程度の評価に終わってしまった感があります。最優秀まで行かない。
あと、ラストの締め方が私としては中途半端に見えました。カタルシスがあってもいいと思うのですが、ない。
最後うだうだ書きましたが、良作ですので見て損はありません。
この作品はぜひ映像の綺麗な映画館で見てほしいと思います。大画面で圧倒的な映像美を浴びるのが最良の鑑賞方法ではないでしょうか。